『オサマル』は、『収まる』・・『治まる』・・『納まる』?!
え?どれだっけ?
わかっていたつもりが、ふと頭の中が真っ白に(;^ω^)
そんなあなたの記憶をよみがえらせます★
この3つの漢字の意味をもう一度、正しく頭に入れておいてくださいね。
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収まる・治まる・納まるの違い!それぞれの意味の違い
収まる・治まる・納まるは、異字同訓(異なる漢字でありながら、意味の近い言葉を訓読みすると同じ読み方をする事/『修まる』もこの3つの仲間である)ですが、
本来の言葉の使い方はそれぞれ違います。
<3つの言葉が持つ同じ意味>
ある事柄・状態・物自体がきちんと元の場所に戻り(もしくは元の状態に戻る)落ち着く事を『オサマル』と言う。
収まる
- あるところに似つかわしい事
- あるべき場所に戻る事
- 目的の場所にしまう事
- 安定した状態の事
治まる
- 乱れた状態が鎮まる事
- 物事が解決する事
- その事柄に納得する事
- 世の中が平穏になる事
- 安定した状態の事
納まる
- きちんと中に入る事
- ある地位に就くことで安定する事
- 金品が受け取られる事
- 商品が納入される事
このように同じ意味を持つ箇所もありますが、それぞれ対象が全く違っています。
手で触れるような物質から目に見えない感情的な事、
または空間などにも当てはまる場合がありますね。
次章からは、その対象とそれぞれの漢字1字が持つ意味について、例文とともに詳しく説明していきます。
【収まる】の使い方と例文
自分のものにする事
取り入れる事
よい結果を出す事
熟語:(収益・収穫・収録・収納・回収・徴収・領収など)
(例)
- 権力を手中に収める
- 収益として収まる
- この置物は床の間にうまく収まる
- 徴収した物を収める事が仕事だ
- 成果を収める/勝利を収める
取り高
取り入れたもの
所得
熟語:(月収・増収・減収・年収など)
(例)
月収が増えてお給料を多く家庭に収められた。
中に入れる
一点にあつめる事
熟語:(収束など)
(例)
- 目録に収める
- 一つの部屋に荷物が上手に収まるようにしたい
ちぢまる
引き締まる事
落ち着かせる事
熟語:(収縮・収拾など)
(例)
- 収縮するとひとところに収まりやすい
- 怒りを収める
これらのように、相手から受け取ったものをこちら(自分の元)にしまう時や、収拾の意味で使う事が多いです。
「外から内へ」という感覚で覚えると覚えやすいですね。
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【治まる】の使い方と例文
秩序を保つ事
混乱を鎮める事
熟語:(治安・治国・治乱・自治・統治・政治など)
(例)
- 国が治まり、平穏が訪れた
- 一連の騒ぎが治まる
- いろいろな意見が出たが、丸く治まった
病気でない状態にする
熟語:(治癒・治療・完治など)
例:痛みが治まる
天候や自然の事柄(状態)が落ち着く事
熟語:治水など
(例)
風や雨が治まる/嵐が治まる
良くない感情に陥り、落ち着かない気持ちなどが落ち着く事
(例)
腹の虫が治まる
その言葉を聞いて胸が治まる思いだ
【納まる】の使い方と例文
渡すべき相手に渡す
支払う
役場などに差し出す
熟語:(納税・納付・前納・滞納・未納・結納など)
(例)
- 所得は増えたので税金を去年より多く納める
- 納付書が届いたので納める
- この結婚を許してもらうために、これだけの結納を納める
金品を渡す
届ける事
熟語:(納期・納入など)
(例)
- この品を明日までに○○市場に納める
- 納期は守って納めなければいけない
- 注文の品がお店に納まる
- 会費を納める
贈る
差し上げる事
熟語:(納経・奉納など)
(例)
奉納の品を納める
しまう
しまい込む事
熟語:(納棺・納骨・納屋・納戸など)
(例)
- お骨を納める
- この荷物を納屋に納めるのは難儀だ
- これだけの荷物は多いから倉庫に納めよう
いれる
取り込む事
熟語:(納得・納涼・受納など)
(例)
喧嘩をしていたが結局、お互い納得したのでもとのさやに納まる
おしまいにする事
熟語:(見納め・聞き納め・仕事納めなど)
(例)
今日でこの景色も見納める事になる
この他に、感情に伴った行動や、
ある地位や境遇につく経過、または結果を表す時にも使えます。
(例)
- 家庭の主婦に納まる
- この気持ちは素直に胸に納まる
- 警察官になって早○年、ようやく署長に納まった
こちら(自分の元)からむこう(相手側)に届ける/預ける時に使う事が多いです。
「内から外へ」という感覚ですね。
どちらの漢字を使っても良い場合
またどちらの漢字を使っても良い場合がありますので、例を挙げておきます。
- 刀をさやに収める/納める…中にきちんとしまう事
- 原稿用紙に収める/納める…一定の枠に入れる事
- 権力を手中に収める/納める…受け取って自分のものにする事
- 騒ぎを治める/収める…整えてもとの状態に戻す事、収拾をつける事
最後に
異字同訓の中でも4種類の漢字があるので、
文章を書く時には非常に迷いやすいですね。
上記のように、複数の漢字が間違いではない場合も多いのですが
『対象に向かっているのか・対象から向かってきているのか』という事を踏まえると漢字にあてはめやすくなります。
また、いくつのも例文を知る事で感覚をつかみやすいので、日常でもチャンスを見つけたら是非、漢字をあてはめてみてくださいね。
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