世の中にはたくさんのオイルが存在しますが、今「アルガンオイル」という種類の油が話題ですよね。
オイルはそれぞれ特徴が異なり、とくに酸化においてはこれが顕著に出ます。
酸化してしまったオイルはもはや別物で、その効果や味にも変化が出てしまいます。
今回は、アルガンオイルは酸化しやすいオイルなのかどうか、酸化した場合どんな風になるのか、できるだけ酸化を防ぐにはどんな方法があるのかについて解説していきます。
今アルガンオイルを愛用しているあなたも、これから使おうかと考えているあなたも、ぜひチェックしておいてくださいね。
アルガンオイルは酸化しやすい?しにくい?
まず最初にアルガンオイルは酸化しやすいのか?しにくいのか?という疑問から解決していきましょう。
実はアルガンオイルは、たくさんある油の中でも比較的酸化しにくい種類の油として扱われています。
その理由としてはビタミンEが挙げられ、実にオリーブオイルの3倍も含まれた豊富なビタミンEが、酸化を防ぐ役割を果たしてくれているんですね。
抗酸化作用といえばアンチエイジング効果ですが、効能と酸化しにくいという利点が同じビタミンEからきているなんて面白いですね。
参考までに、酸化しやすいオイルというと馬油やアマニ油などが有名どころですが、これらは以下の条件が保管において原則です。
- 冷蔵庫で保管すること
- 開封後はなるべく早く使い切ること
- 光には当てないこと
THEナマモノというような条件ですが、実際に使いきれる量だけ買うようにしないと、どんどん栄養が失われて全く意味のないものへと変化してしまうそうです。
これに対してアルガンオイルは、全く気にしなくて良いわけではありませんが、常温保存をしても大丈夫なくらいに酸化に対して耐性があります。
もちろんアルガンオイル以上に酸化に耐性があるオイルもありますが、アルガンオイルを開封しっぱなしで放置するようなことがなければ、十分使いきれるくらいの耐性はあると言われています。
アルガンオイルが酸化するまでの期間・期限
酸化しにくい…と言われても、具体的な期間・期限が気になるところですよね。
目安でいえば、未開封の状態なら2年ほど、開封後も3ヶ月ほどは保存して使うことができるということです。
とはいえあくまで目安の期間なので、もっと長くもつ場合もあれば、早いうちに酸化してしまう場合も考えられますので参考までに。
中には粗悪品があり、はじめから酸化していることもあるそうなので、購入の際には要注意です。
次の章でアルガンオイルの酸化を判断するための情報をお伝えしますので、ぜひ知っておいてください。
アルガンオイルは酸化するとどうなる?臭い?使えない?状態の目安は?
アルガンオイルが酸化しているかどうかを判断するには、いくつかの基準があります。
あくまで自己責任にはなりますが、ひとつずつ説明していくので覚えておいてくださいね。
またそれらの目安に不安を覚えたり、「明らかに酸化しているのでは?」と思った場合には使用しないことをおすすめします。
とくに生で使う場合には控えたほうが良いので、用途にもよりますがしっかりチェックしておくと安心です。
強い酸味のある香りがする
アルガンオイルは、フルーティーなものや、あまり香りのないもの・程よい酸味のある香りがするものが多いですが、酸化するにつれてこの酸味が強くなってきます。
とくに「すごく臭い…」という感じではないので、わかり辛いかもしれませんが、開封後と比べてすっぱい匂いが強くなったり、普段使っているアルガンオイルと比べて酸味が強い香りがする場合には、酸化を疑ったほうが良いでしょう。
オイルの粘度が増している
本来のアルガンオイルは、肌に塗るとすぐにさらっとなじむのが特徴です。
そのため、ベタつきが強かったり、いつまでも残っているような感じがあれば、酸化している可能性が強いです。
ボトルに入ったままだとしても、粘度が強くなったように感じたらそれは酸化の特徴です。
色がなくなってきている
本来、良いアルガンオイルほどきれいな黄金色をしています。
それがにごってきたり、透明に近くなるほど酸化が進んでいる証なので、そうなったらもう廃棄しておいたほうが良いでしょう。
アルガンオイルの酸化を判別する3ポイント
良い状態のアルガンオイルは、以下の3ポイントが特徴です。
- 黄金色
- 酸味が強い香りがしない
- 肌に塗りこんでもさらっと肌になじむようなテクスチャである
ということは、この3ポイントを満たしていないものには、なんらかの問題があると考えられます。
基本的には違和感を感じた場合には使用を中止し、判断に困る場合には諦めて破棄するようにしておけば間違いないでしょう。
さらに良くある間違いとして、アルガンオイルを冷蔵庫で保存しているときに沈殿物が出ることがあります。
これを見てだめだ!と思う人もいると思うのですが、冷蔵保存で発生した沈殿物についてはとくに気にする必要はありません。
酸化や劣化の目印ではないので、気にせず使ってOKです。
あくまでも上の3ポイントを常に意識しておいてくださいね。
アルガンオイル!できるだけ酸化を防ぐ方法は?
いくら酸化しにくいといっても、当然のことながら全く酸化しないものではありません。早く使えるほうが鮮度も良くておすすめです。
となるとやはり、知っておきたいのは“できるだけ酸化を防ぐ方法”ですね。
オイルは光が苦手
オイル全般に言えることですが、オイルというのは光(とくに日光)が大の苦手で、日光があたることによって酸化や劣化しやすくなります。
日光の当たらない場所に保管するのはもちろんなのですが、遮光ボトルに入れておくというのもポイントです。
透明のボトルは基本的に遮光の効果はありません。
- 元々黒や緑などの色がついた遮光効果のあるボトルを選ぶ
- 移し変えて使う
- 遮光効果のあるシートをボトルに貼っておく
などなど、光に対する対策はしっかりしておきましょう。
その上で、さらに日光の当たらない場所を選んで保管しておけば、これだけでも大幅に酸化を防ぐことができます。
オイルは湿気が苦手
光だけではなく、湿気もオイルにとっては大敵です。
食用のオイルの置き場所として良くありがちなのが、台所のシンクの下などに置いてしまい、水道管が近くを通っていて湿気にさらされてしまうこと。
食用のアルガンオイルをお考えの方は、水道管の近辺は避けてくださいね。
また雨季には湿気が出やすいので、乾燥剤を置いて乾燥させたり、いつもより小さいボトルで使い切りを早めておくと安心です。
美容で使う場合には、お風呂場や洗面所に置く場所を固定してしまいがちですが、水場というのはやはり湿気が多くなるのでよくありません。
もしどうしてもお風呂場や洗面所に置きたい場合には、少量ずつ小さなボトルに入れ替えて、できるだけ毎日使い切るようにすると酸化を少しでも減らすことができますよね。
その場合は遮光タイプを選ぶことをお忘れなく。
オイルに混入物がないようにする
オイルが劣化・酸化しやすくなる意外な盲点が、混入物です。
アルガンオイルで多いのは、水分や基礎化粧品の混入で、少しでも入ってしまうと一気に使い物にならなくなってしまいます。
水場を避けたりするのは、こんな理由もあってのことなんですね。
温度は低いほうが良い
オイルを保管するのに温度管理は大切です。
アルガンオイルの場合は30度以下を厳守し、もちろん冷蔵庫で保管するというのもOKです。
冷蔵庫で保管しているものを肌などに塗布する場合には、使う際に上手に温めて使うようにしてくださいね。
まとめ
アルガンオイルはとくに美容において重宝されていますが、酸化もしづらく比較的扱いやすいオイルです。
しかしながら、話題になるほどに粗悪品も出回りやすくなり、はじめから酸化してしまっているオイルを知らずに使い続けてしまうということも珍しくありませんので、購入の際の見極めを大切にしてください。
さきほど紹介した酸化の判断ポイントを確認しながら、間違いのないものを選ぶようにしてください。
※比較的安価なものは粗悪品の確立が高いので、あまりに安いものは要注意です。
オイルの原則としては、以下の2点が酸化を予防するのに有効です。
- 温度・日光・混入・湿気に注意して保存すること
- できるだけ早く使い切るようにすること
たくさんの素晴らしい効能を持つアルガンオイルですから、品質の良いものを選び、保管に気をつけ、上手に使いこなしたいですね。