名前が違うけど、味や見た目が似ていてよくわからない。
【鮭・鱒(ます)・サーモン】は、その代表とも言えるのではないでしょうか。
この3つ、実際のところ何が違うのでしょうか。
子どもに「サーモンと鮭は同じもの」と教えた時に驚愕の顔をしていたので、説明するためにも鮭・鱒・サーモンの具体的な違いから、味や価格の違いまで、徹底的に調べてみました。
そこで登場するサーモントラウトについても解説しています。
これでアナタも”さかなクン”の仲間入りです♪
サーモン・鮭・鱒の違いとは!
これらは日本語で、「鮭や鱒」と呼ぶ時の明確な違いはありません。と言ってしまうと、身もフタもないのですが・・・。
サーモンなど英語名で呼ばれる時は、川や海など住んでいる地域や、産卵の違いで区別される事がありますが、基本的にサケ科の同じ種類でも川や海を行き来したり、一生同じ場所に留まったり、など明確に区別しようとすると曖昧になってしまうのが実態。
ここでは一般的にどのように説明されているか、定義を紹介していきます。
サーモン
- 海で養殖されている
- 洋食の素材として呼ばれる
- 輸入素材の時
- 昔から生でも食べられるとされていた
- ヨーロッパには1種類しかいない(太平洋鮭/アトランティックサーモン)
- アメリカなど太平洋種類の総称(ピンクサーモン)
- 日本では海洋性のカラフトマスやトラウトサーモンの事を呼ぶ
鮭
- 英語でsalmon(サーモン)
- 川で産卵され海に下る
- 和食の素材として呼ばれる
- 国産素材の時
- 古くは加熱調理をするようにされていたが(アニサキスという寄生虫がいたから)、現在は生でも食べられる(宮城県の桜銀など)
- もともとシロザケの事を指していて、それ以外は鮭の仲間(サケ科)と呼ばれていた
- 秋鮭、白鮭、銀鮭、紅鮭などを指す
- 一般的にスーパーで売られているのは白鮭、切り身や塩鮭や燻製は紅鮭が多い
鱒/ます
- 英語でtrout(トラウト)
- 川や淡水域で過ごす
- 複数の種類の総称(サクラマス、カラフトマス、ニジマスなど)
- 鮭の仲間である
- 昔はサクラマスだけだったが、漁業の開拓が進み、他の種類の鮭や鱒を捕まえるようになって○○マスという呼び名が増えた
サーモントラウトってなに?
英語で鮭のことをsalmon(サーモン)と言いますね。鱒のことをtrout(トラウト)と言います。
この二つが合体した【名称:サーモントラウト】っていったい何なのでしょう?
サーモントラウトとは、チリやノルウェーなどの海中で養殖したニジマスの事ですが、種類の名前ではなく商品名になります。
とてもややこしいのですが、サーモントラウトという種類の魚ではなく、ニジマスが調理されて食べる段階でそう呼ばれるのです。
ですから、お寿司屋さんやお刺し身を食べる時に「サーモントラウト」と名前がついていたら、鮭ではなく鱒だと覚えておくと良いですね。
ちなみにトラウトサーモンと呼ばれる事もあり、どちらも同じです。
身の色はピンクに近いオレンジでクセが少なく、手ごろな値段で購入できるので、万人向けの一般的な味とも言えるでしょう。
主に切り身で販売されていて、焼いても美味しいですし、あっさりした味なので、シチューやマリネなどの具材にも適しています。
サーモン・鮭・鱒 味や値段の違いについて
日本語で呼ばれる名称に明確な違いがない!
先ほど、そんな風にお話ししましたが、ではどうして同じ(ような)モノであるにも関わらず、味や値段に違いが出るのでしょうか?
その理由をいくつか紹介します。
海を下るかどうか
鮭は川で産卵し、ふ化してしばらくすると海へ下ります。この行動で味が変わると言われていて、鱒よりも鮭の方が美味しく・少し高価であるとされます。が、実際のところ鱒にも海へ下る種類がいます。
鱒だから、すべての魚の味が落ちるというわけではありません。
天然か養殖か
当然ですが天然の方が美味しく値段も高いです。ですが最近は、養殖の物も充分美味しく店頭に並ぶ数も多いので、一般的に養殖の方が手に入りやすくなっています。
トラウトサーモンやキングサーモンなど輸入、養殖物が多いです。
住んでいる環境の違い
水の汚れ方や食べる物の違いでニオイや臭味が変わってきます。
年齢の違い
川へ戻ってくるとき(捕獲される時期)の年齢にもよりますが、普段食べているものはだいたい4~5歳となり、産卵のために帰ってくるのでほどほどに疲れています。
稀に1~2歳頃のまだ若い鮭(鮭児と呼ばれます)が戻ってきますが、とても稀で疲労していない鮭なので、味が異なり「幻の鮭」と呼ばれるくらい美味しいのだそう。
旬の鮭(春、夏にとれる鮭/時知らず)は卵巣や精巣が発達していなくて成熟しておらず、身に油がしっかり乗った状態なので美味しく高級です。
こちらはロシア生まれで、日本の近海を泳いでいる時に捕獲されると言われています。
さいごに
鮭、鱒、サーモンと、名称としてわかれている割には、実際のところ明確なコレと言った違いがないのが現状。ちょっとスッキリしない結果でしたね。
味や価格の違いとしては、【養殖か天然】かという違いが一番反映されています。
幻の鮭などはスーパーなど店頭に並ぶことはほとんどなく、手に入りにくいので、一般的に食べられるものではなさそうなのが残念なところ。
それぞれの違いを明確にする為にも、味比べでもしてみたいところですね(;’∀’)