「是が非でも…」
なんとなく知っているし、耳に馴染みもあるけど…
自分で使うことはないから意味をしっかりと知らない。
というのは、あなただけではありません。ご安心を♪
ここでは「是が非でも」の意味について、詳しくご紹介します。
日本語は正しく使うことでより美しいとされますので、ぜひこの機会に確認しておきましょう。
今回は意味はもちろん、類語や英語での表現もまとめておきました。
「是が非でも」 意味を解説
まず日本語というのは、漢字に意味が詰まっているものなので、
「是」と「非」、それぞれの漢字の意味を見てみましょう。
「是」(読:ゼ これ・この)
道理にかなっていること。
正しいこと。
「非」(読:ヒ そしる・あらず)
道理にかなっていないこと。
間違っていること。
よくない。違う。
上記の二つの意味を踏まえると、単純に「正しくないことでも、間違っていることでも」という意味に取れますね。もう少しスッキリした言い回しをするのなら、
- 善悪に関係なく
- どうしても
- どちらにせよ
- なにがなんでも
などが当てはまります。
- 是が非でも○○したい
- 是が非でもやらなければいけない
- 是が非でも結果は同じことだ
のようにさまざまな意味で使われます。
後に続く内容や場合によって変化しますが、要は「良かろうが悪かろうが」ということですね。
是が非でも ”類語”は?
さきほどもいくつか紹介しましたが、「是が非でも」の類語をいくつか紹介していきます。
まず類語とは類義語と同じ意味をもつ言葉で、意味は“意味が似ている言葉”のことです。
ややこしいですが「類語」の類語として「同義語」というのがありますが、これは“意味が同じ言葉”という意味なので「是が非でもの類語」というのは「是が非でもと同じような意味をもつ言葉」ということになりますので覚えておいて下さいね。
さて、では本題の是が非でもの類語ですがこんなものがあります。
- 必ず
- 何があっても
- 何がなんでも
- どうしても
- どちらにしても
- 是非とも
- どんな手を使っても
- 無理やりでも
- 否が応にも
- なんとしてでも
- 絶対に
- 止むを得ない
意味がずれたように感じるものもありますが、例文を使ってみてみると分かりやすいです。
例えば「彼女に声をかけたい」という文につなげてみましょう。
- 「是が非でも彼女に声をかけたい」
→ これだけだとまだ意味が広いので分かりにくいですね。
- 「どうしても彼女に声をかけたい」
→ なんとかして声をかけたい切実さが伝わってきます。
- 「無理やりにでも彼女に声をかけたい」
→ 一方的な感じが出てきましたね。
- 「何があっても彼女に声をかけたい」
→ 決意が見え隠れする言い回しになってきました。
同じ文であっても、類語によって与える印象が違いますよね。
これが日本語の難しいところですが、全て「是が非でも」の類語なんですよ。
また漢字部分だけをとって「是非」という言葉としても使われており、これも「是が非でもの類語」といえますね。
「是非あの絵をいただきたい」というのと、「是が非でもあの絵をいただきたい」というのが似た意味であると言われると、ちょっと受け方に違和感があるように感じますね。
「是が非でも」 英語ではどう表現する?
さいごに”是が非でも”を英語にするとどうなるのか、紹介しておきます。
本来の日本語であってもこれだけ複雑な言葉ですから、
英語にするとなるとまたややこしそうですが、一体どうなるのか見てみましょう。
是が非でもを英語にすると「rightly or wrongly」が1番近しいでしょうか。
【rightly or wrongly】を日本語訳すると、「是が非でも」「良かれ悪かれ」という意味になりますので、最も直訳的な英訳になるといえます。
しかしこれだけ日本語としても意味の多い言葉ですから、
- by fair means or foul(手段を選ばず)
- whether someone likes it or not(相手が好きでも嫌いでも)
- at any price(どうあっても)
- whether or no(いずれにせよ・ともかく)
なども是が非でもとして使われる場合があります。
例えば、「We must avoid war by all possible means.(私たちは戦争を何としても避けなければならない)」という文ですが、
「是が非でも戦争を避けなければならない」と訳すこともできます。
「by all possible means」が「何としても」という意味で、「是が非でも」と変換することが可能です。
ニュアンスや伝わり方を考えると、もはや正解というものがなく、相手への伝わり方次第なところがあります。
さいごに
「是が非でも」という言葉をあまり使う機会がないのは、類語で簡単なものがあるからかもしれませんね。
「絶対に勝つ!」という言葉を、「是が非でも勝つ」とわざわざ言う人のほうが少ないですから…。
しかし知ってみると案外身近で、使うことがないにせよ、聞いても違和感は少なくなったのではないでしょうか?
せっかくの国語ですから、”是が非でも”、“是非”意識して使って欲しいものです(o^―^o)