恵方巻は毎年新年を迎えた頃から予約のチラシを見かけるようになり、日本全国で節分の日に食べるというのが習慣になってきています。
しかしその起源・発祥は諸説あると言われており、はっきりとしたことは分かっていないそうです。その中でもよく言われているのは次の説です。
・江戸時代中期に香の物が入った巻き寿司を切らずに丸のまま恵方を向いて食べ縁起をかついだというものが後に節分に恵方を向いて巻き寿司を丸かぶりするとその年の福を呼ぶという慣しになったとする説
・1973年(昭和48年)頃に大阪海苔問屋協同組合が海苔の販売促進のため太巻き寿司を「幸運巻き寿司」と名付けて販売したのがきっかけだとする説
他にも複数ありますが、どれも信憑性は定かではありません。
また、昔は「太巻き寿司」や「丸かぶり寿司」と呼ばれていた恵方巻きですが、その名前が全国的に有名になったのは1989年(平成元年)にあるコンビニエンスストアが「恵方巻き」として売り出してからです。
それまでは風習として行われていた行事が、これをきっかけに今日のような全日本国民が知る節分の習慣へと進化を遂げました。
今日はそんな恵方巻きについて情報をまとめました!
恵方巻きの方角はどうやって決まってるの?
恵方巻きを食べる時、スーパーのチラシやテレビ等でその年の方角をチェックしている方がほとんどだと思いますが、実は方角を決める際のルールがあり、これを知れば誰もがその年の恵方巻きの方角を知ることができます。
そのルールとは、西暦の末尾の数字と十干(じっかん)が関係しています。
決まりは4パターンあり、甲の方、庚の方、丙の方、壬の方のどれに当てはまるかによって方角が決まります。逆に言うと4パターンしかないのが驚きですね。
十干とは古代中国で使用されていた暦や方位を表す単位のことで、甲(こう)・乙(おつ)・丙(へい)・丁(てい)・戊(ぼ)・己(き)・庚(こう)・辛(しん)・壬(じん)・癸(き)の10種類があります。方角を決める際はこの中の甲・丙・庚・壬が使われており、次の様になります。
西暦の末尾が1、3、6、8のどれか→丙の方で南南東(南)
西暦の末尾が0または5→庚の方で西南西(西)
西暦の末尾が2または7→壬の方で北北西(北)
これを見ると今年(2022年)は末尾が2なので壬の方の北北西(北)となることが分かります。
恵方巻きの方角が意味するものは?
毎年なんとなく決められた方角を向いて食べる恵方巻きですが、恵方(運の良い方角)にはその年の福徳を司る神である歳徳神(としとくじん)がいるとされています。
この方角に向かって物事を行えば何でもうまくいくそうで、昔は恵方の方角にある神社に初詣に行くほど恵方は重要視されていました。そのためその年の恵方を向いて恵方巻きを食べる事で幸福を願う意味が込められています。
恵方巻きの正しい食べ方は?
恵方巻きは「切らずに、口から離さず、黙って、その年の恵方を向いて食べる。」というのが正しい食べ方になります。
恵方巻きを切ってしまったり、口から離してしまったりすると縁が切れてしまうと言われているので、途中途中に醤油をつけたりするのも避けたいところです。
また食べている途中で喋ってしまうと運が逃げてしまい、よそ見をしてしまうとご利益を預かれないと言われているので恵方巻きを食べる際は恵方を向いて黙々と食べ進めましょう!
方角が分からない時は、携帯の方位磁石機能やマップ機能を使用すれば簡単に分かるので便利です。
余談ですが、恵方巻きの具材は七難即滅、七福即生(七福神を参拝すると七つの災難が除かれ、七つの幸福が授かる。)と言われている「七福神」にちなみ7種類と決められています。
しかしこの7種類の具材、実は決まりがないそうです。地域によって違うと思いますが、うなぎ、たまご、しいたけ、さくらでんぶ、きゅうり、かんぴょう、人参あたりが一般的になるかと思います。
最後に
恵方巻きは願い事をしながら食べると願いが叶うと言われています。
少し細かいですが、お願いの仕方も「○○できますように」と願望を表すのではなく、「○○できる」といった感じに断定的なお願いをすると良いそうです。お願いの内容も幸せに過ごしたいなど漠然としたものではなく、「家族が風邪をひかずに健康に過ごす」や「結婚する」、「去年よりも成績を上げる」のように叶えたい事柄を具体的にすると効果的です。
新年が明け、今年の目標を掲げた方はその目標が叶うように、そうでない方も1年の幸福を祈って恵方巻きを食べましょう!