1年の始まりを彩る、伝統的な正月飾り。
鏡餅はそのもっとも身近なものですよね。
古くからの伝統と言われているものには、この正月飾りを含めて、地域や風習によってのさまざまな違いがあります。
今回は、鏡餅の昆布に焦点をあててみました。
飾り方から意味・由来、
また、昆布とともに飾る地域のある「するめ」についても紹介しています。
鏡餅に飾られるアレコレには、すべて意味があるんですよ(o^―^o)
鏡餅 昆布の飾り方は?
あなたの家では鏡餅に昆布を飾りますか?
わたしの家では、和紙・ウラジロ・重ねたお餅・葉つきのみかん(橙)というなんともシンプルな鏡餅です。
最近では、手軽な真空パックされた市販の鏡餅も便利に利用していますが、それにも昆布はついていないのです。
そこで、昆布を飾った一般的な飾り方を調べてみました。
まず、三方と呼ばれる台座の上に、四方紅(四方を紅くふちどった紙)か和紙などを敷きます。
その上にウラジロを白い面を上にし、手前に向けて、左右が対象になるように置きます。
そしてその上に2段に重ねたお餅を乗せます。
ここからが、昆布の登場なのですが・・・
昆布を飾る位置に関しては、地域によって本当にバラバラなのです(;’∀’)
- 上の図のように、お餅の上に置くパターン
- お餅の下に敷くパターン
- お餅とお餅の間に挟むパターン
そしてさたなる難題が!!
ここでも地域や風習の違いなのか、昆布の向きに関しても2通りあります。
- 昆布を手前に向けて垂らすように飾るパターン
- お餅と平行に横に向けて飾るパターン(下の画像参照)
一般的には手前に向けて垂らす場合が多いようなんですが、伝統って難しい・・・。
飾る場合には、地域の風習を身近の人に聞いてからの方が良さそうですね。
もちろんお餅のてっぺんには橙(みかん)を飾って出来上がりです。
ちなみに、橙がてっぺんなのは全国共通のようです(笑)。
鏡餅 昆布を飾る地域と意味は?
鏡餅に飾る昆布、今ではさまざまな地域やご家庭でも広く飾られているようです。
昆布は、古くは広布(ひろめ)と呼ばれ、『喜びが広がる』という縁起ものだと言われています。
ほかにも、『喜ぶ』との語呂合わせや、『子生(こぶ)=子供が生まれる』という子宝に恵まれるよう願う気持ちも込められているそうです。
おせち料理にも使われることが多い、とっても縁起のいい食べ物ですね。
そんなおめでたいことてんこ盛り!な昆布ですが、古くは蝦夷(えぞ)で取れていたことから夷子布(えびすめ)とも呼ばれていたそうです。
七福神の恵比寿さまに掛けて、『福が授かる』という意味合いも込められているとのこと。
蝦夷とは、古くは日本の中部以東、北陸や関東辺りだと言われており、その辺りから広まった風習なのかもしれませんね。
鏡餅 昆布とするめを飾る地域と意味は?
わたしの住む地域では飾る風習のない昆布ですが、さらにもうひとつ目にしない鏡餅の飾りがあります。
それが「するめ」です。
するめは、お酒のおつまみでもおなじみの、イカを干して乾燥させた乾物ですが、このするめをお餅の上に飾る風習のある地域もあるそうです。
するめは日持ちがいいことから、『末永くいいことが続く』という意味が込められていると言われています。
ほかにも、室町時代のころにはお金を「お足」と呼んでいたことから、足の多いするめが縁起がよいとされた説もあるようです。
現代の私たちにとっても、それなりに馴染みのある”するめ”ですが、鏡餅に飾る地域についてははっきりとした由来がないようです。
ネットやテレビなどで目にする鏡餅にも、するめが飾ってあることは少し珍しいのではないでしょうか。
さいごに
鏡餅に飾る、昆布やするめのこと、少しお分かりいただいたでしょうか?
昆布にもするめにも、とっても縁起のいい意味や願いがこめられているんですね。
地域の風習やわが家の定番も大切ですが、正しい意味を知って、新しい習慣を取り入れてみるのもステキなことかもしれませんね。
意味を知って飾る鏡餅と、意味を知らずになんとなく飾る鏡餅。
全く別の物に見えてきませんか?