キムチに含まれる栄養素といえば、あなたは何を思い浮かべますか?
辛み成分のカプサイシンを思いつく人は多いかと思いますが、キムチの代表的な栄養素ともいわれている“乳酸菌”は、意外と認知度が低いのだそう。
しかしこの乳酸菌、実は熱に弱いという特性を持っていて、キムチを加熱してしまうと乳酸菌も死滅してしまうのでは…?と心配の声も。
良い効果がたっぷりの乳酸菌、できればしっかりとそのはたらきを利用したいところですよね。
ということで、ここではキムチの乳酸菌は加熱すると効果がなくなるのかどうかについて解説していきます。
さらに、キムチと乳酸菌に関わるお話を掘り下げて紹介しておきますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
キムチの乳酸菌!加熱すると効果はなくなる?
乳酸菌といえば、言わずもがな腸内環境を整えてくれる善玉菌なわけですが、根本的に菌というのは寒さに強く熱に弱いです。
そのため、加熱調理をする工程で、乳酸菌はもれなく死滅してしまいます。(低温かつ短時間、50度前後で20分以内を目安にした場合残るものもありますが、大幅に減少します。)
しかしながら、“効果”に限定するのであれば、腸内環境を整える効果がなくなるわけではありません。
それにはいくつかの要素が隠されていますので、箇条書きにしながらポイントを説明していきます。
生きた乳酸菌
まず生のキムチに含まれる生きた乳酸菌は、善玉菌を増やすはたらきをすることで腸内環境を整えます。
そもそも“乳酸菌が生きたまま”とうたわれる乳製品においても、一度加熱処理して中にいた乳酸菌が死んでしまったところに、別の乳酸菌を生きたまま入れるという工程で生産されています。
近年増えているのはその技術が広まり、より多くの企業でその工程を組み込むことができるようになったからなんですね。
ただしキムチは生ものですので、そもそも加熱処理をして売られていることはありません。
死んだ乳酸菌
では死んだ乳酸菌はどうなのか?という話ですが、こちらは悪玉菌を排出するというはたらきがあります。
悪玉菌を排出することで腸内環境の整備ができますし、善玉菌を糧(かて)ともなるので、決して無駄にはならないんですよ。
先ほども説明しましたが、ヨーグルトなどは、加熱処理をして死んだ乳酸菌に生きたものを入れている場合が多いため、たとえ死んだ乳酸菌しかなくても良い効果が一切ないなんてことにはならないのです。
それどころか、腸内環境を整えるだけではなく、免疫を高めたり善玉菌の助けになる効果があるのですから、乳酸菌とはありがたいものですね。
どちらも摂取するとより効果が高まる
実は、生きている乳酸菌と死んでしまった乳酸菌を同時に摂取することによってその効果は飛躍的に高くなると言われています。
「生きている」ことを売りにしているヨーグルトなんかが分かりやすくて、加熱処理で死んだものと生きているものが混在していますよね。
そういったものが体質的に腸内環境の整備に合っている場合には、とくに両方を摂取すると良いでしょう。
キムチの場合は、【加熱したもの+生のもの(または生きた乳酸菌を含むもの)】を摂取することで、この原理を利用することができますよ。
キムチの乳酸菌!市販のものにはほとんど含まれないって本当?
キムチの乳酸菌について少し調べてみると、「市販のキムチにはほとんど乳酸菌が含まれない」という情報が出てきます。
キムチといえば乳酸菌のはずなのに、そもそも含まれないなんてショックですよね。
これは本当なのかどうか…
あまり信じたくないのですが、実は”本当に近い”ということがわかりました。
これにはきちんとした理由があり、間違って欲しくないのは、市販だから含まれないというわけではないのです。
以下に詳しく説明していきますね。
キムチの乳酸菌の仕組み
そもそもキムチの乳酸菌というのは、キムチが発酵する過程で生産されます。
キムチの原材料といえば、白菜(など)・魚介・唐辛子を主に構成されていますので、この魚介の部分がとくに発酵しやすいわけですね。
発酵が行き過ぎると腐敗へと変化していくのですが、そもそも日本で売られる多くのキムチは、防腐剤というものが含まれていることが多いです。
つまり防腐(発酵)をしないように加工されているので、必然的に乳酸菌も発生しないわけなんですね。
ただ、中には無添加のものもありますし、キムチの本場韓国製のものに関しては、しっかりと発酵していくので乳酸菌が発生します。
【市販のキムチ=日本人の口に合うように作られた「キムチ」】という名前の別物だと定義されることが多いので、それらを市販のものと呼ぶのであれば、乳酸菌がほとんど含まれないというのは本当ということになります。
じゃあ日本のキムチってなんなの?ということになりますが、平たく言ってしまえば「キムチに似せた調味料を使った浅漬け」というのが最も近しい表現になるのではないでしょうか。(もちろんそうでないものもキムチと呼ばれています。)
逆に本場韓国のものは、数日間熟成させたもののみをキムチと呼ぶので、このあたりで違いが出てくるわけです。
もし乳酸菌のはたらきを期待してキムチを購入する場合には、そのあたりをきちんと把握しておかないと、乳酸菌のほとんど含まれないものを選んでしまうことになります。
それを防ぐために、次の章で乳酸菌の含まれるキムチの選び方について解説していきますね。
キムチの選び方!乳酸菌が含まれるのはどんなもの?
それでは早速、キムチの選び方について見ていきましょう。
乳酸菌が含まれることをきちんと見分けて、美味しさと効果を両立してくださいね。
韓国からの直輸入品であること
まず間違いないものが韓国製の本場のキムチで、とくに直輸入されているものです。
作ったのも韓国なら、パッケージも韓国語なんてものだと間違いないですよね。
あちらのキムチは先ほども説明したように、数日以上熟成したものという定義がありますので、製品化されている以上は、乳酸菌がしっかりと含まれていることは間違いないです。
小さなスーパーではあまり見かけませんが、出店や大型スーパー、海外製品を多く扱う食品店などでは取り扱いがあることも多いです。
「カルディ」など、今や海外製品を取り扱うお店も多いので、ぜひお買い物ついでに探してみてください。
韓国の製法・レシピで作られているもの
もし日本の製品で日本で作られていたとしても、製法やレシピが韓国のものであれば、乳酸菌が豊富である可能性が非常に高いです。
良くあるのが、焼肉屋さんや韓国料理店に置いてあるキムチで、市販の一般的なキムチとは見た目も香りも大きく異なります。
そこらへんのスーパーでは取り扱いも少ないと思いますが、こちらも同様に大型のところではいくつか置いてあることも多いです。
もし売り子さんがいるような場合には、ぜひ「本場の製法ですか?」とたずねてみてください。
また、韓国の方が日本でキムチを作られて販売されていることもありますよね。
本場韓国の味を堪能できる場所と言うと、大阪では鶴橋近辺・東京では大久保辺りが有名でしょう。
ですが、うちのご近所でも小さな露店でキムチを売られている韓国の方がいらっしゃるので、もしかすると遠くまで出向かなくても手に入るかもしれません。
そんなお店が近くにあるとラッキーですね♪
唐辛子を使わない白キムチ
白キムチというものをご存知ですか?
一般的な赤いキムチを赤キムチというのに対して、見た目に変化がほとんどないものを白キムチと呼びます。
その違いは、唐辛子を使用しているかいないかなのですが、日本製のキムチは浅漬けなわけですから、白いものだとお漬物として売られてしまいます。
そのため、白キムチと名前がついていれば、高確率で本場の製法で作られているということになりますね。
市販品なら「牛角キムチ」
市販品だとどんなものが該当するか気になりますよね。
知名度の高いところでいうと「牛角キムチ」がそうで、店舗で提供されているものも、スーパーなどで売られているものも同様の製法で作られているそうです。
もしスーパーなどで、「どれが乳酸菌入りのキムチか分からない!」という場合には、とりあえず牛角キムチを選んでおけば間違いないですよ。
コスパも良いですし♪
手作りなら「オーサワキムチの素」がおすすめ
最後に番外編ですが、市販ではなく手作りすると間違いがありませんよね。
もちろん自分で発酵させても良いのですが、意外と発酵と腐敗のバランスは絶妙です。
そんなときに役立つのが「オーサワキムチの素」で、本場のキムチをお手軽に作ることができると人気です。
はじめは強烈な臭いや独特の味に驚くこともあるかもしれませんが、勇気と根気に自信のある方は、ぜひ一度試してみてください。
まとめ
いかがでしたか?キムチと乳酸菌との意外な関係性が見えてきましたね。
今回ご紹介した内容をまとめると
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- キムチの乳酸菌は死滅しても効果あり
- 市販のキムチは乳酸菌が含まれていないものが多い
- 乳酸菌入りキムチは「本場」がカギ
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キムチを加熱することで乳酸菌は死滅してしまいますが、死滅した乳酸菌でもある程度の効果が見込めること。
市販のキムチで乳酸菌が含まれているものは少ないけれど、全くないわけでもないということがお分かりいただけたかと思います。
ということで、加熱を諦める必要もないですし、スーパーのキムチを諦める必要もなさそうなので一安心です。
上手に選んで、美味しく・効果的にいただきたいですね♪
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