パンやお菓子を作るのに欠かせないベーキングパウダーとドライイースト。
膨らし粉とも呼ばれますね。
ところで、ベーキングパウダーとドライイーストの明確な違いを知っていますか?
なんだか混同しちゃっていませんか?
ここでは、知っておくと便利な二つの違いや、重曹などそれぞれの代用品について紹介します。
ベーキングパウダーとドライイーストの違いとは
まずは、それぞれの違いを見ていきましょう。
ベーキングパウダー
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- 炭酸水素ナトリウムなどが原料
- 水と熱で炭酸ガスを発生させ気泡(小さな穴)によって生地を膨らませる
- 焼いている時に膨らむ速度があがる
- 炭酸ガスの発生時間が短く、膨らませる力は弱い
- 弾力のある生地には向いていない
- 膨らし粉とも呼ばれ、ケーキなどに使うとふっくらと仕上がる
- 生地に混ぜるだけなので使い方が簡単
- ドーナツやホットケーキ、肉まんの皮などにも使われる
- 縦方向に膨らむ事が多い
- サクサクした食感や繊細なふんわり感を出す
- 薄力粉との相性が良い
- 強力粉に使うとどっしりとした仕上がりになる
- ホットケーキミックスには最初から混ざっている[/su_list]
ドライイースト
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- イースト菌を乾燥させている
- 乾燥酵母なので水分に触れて活動(発酵)が始まる
- 生地を寝かせる事で膨らませるので時間がかかる
- 時間をかけるとイースト菌が発酵して炭酸ガスを発生
- ベーキングパウダーより膨らませる力が強いので強力粉との相性が良い
- パンやピザ、ドーナツ、ナンなどに使用される
- モチモチと弾力のある食感のふんわり感になる
- 香りの成分や焼き色の元になる成分を造りだす
- 炭酸ガスをしっかり閉じ込めて反応する事できめ細かい生地になる
- 薄力粉や中力粉だと弾力が出る[/su_list]
ベーキングパウダーとドライイーストの使い分け
小麦粉の種類で使い分ける必要があります。
小麦粉の種類によって、持つ粒の細かさやグルテン(粘着力と弾力の性質)の多さに違いがあるからです。
各小麦粉について少し紹介しますね。
[su_label type=”info”]薄力粉[/su_label]
粒がとても細かく、グルテンの量も一番少ない(6.5~9.0%)
※ベーキングパウダーとの相性◎
[su_label type=”info”]中力粉[/su_label]
粒は細かくグルテンの量は7.5~10.5%ほどになる
※ベーキングパウダーの方が合いやすい
[su_label type=”info”]強力粉[/su_label]
粒が荒くグルテンは11.5~13.0%ほどになる
※ドライイーストとの相性◎
ベーキングパウダーは重曹で代用可能か?それぞれの違いは?
ベーキングパウダー、いざ使おうと思ったら見当たらない!
そんな時、重曹で代用という手もありますが、それには少し注意が必要です。
重曹の特徴と合わせて紹介します。
重曹とは
- ベーキングパウダーの主な成分
- 重炭酸曹達(ソーダ)の略である
- 炭酸水素ナトリウムなので人体には無害
- 加熱する事で炭酸ガスを発生させるので、寝かせてもダメ
- 重曹は生地を焼いても炭酸ナトリウムが残る場合がある(苦み・臭い・黄色っぽい色味など)
- クッキーやパンケーキ、どら焼きなどに使われやすい(酸性の素材が多く焼時間が短い物)
- ヨーグルト、チョコやバターミルク、はちみつなどを一緒に使う事で苦みを抑え、よりベーキングパウダーの代用に近づく
- 少量のお酢に混ぜておいて生地作りの最期に入れても良い
以上のように、少し工夫すればベーキングパウダーの代用品として使えそうですね♪
また、卵白をしっかり泡立ててメレンゲにしておくと、焼いた時に気泡が膨張してベーキングパウダーの代用になります。
スポンジ生地で使用する時は、メレンゲのふんわり感をなくさないように半分ずつ粉を足し、粉っぽくならないように注意しましょう。
一方ドライイーストは、酵母菌を乾燥させたものなので、基本的に代用は難しいです。
比較的作りやすく失敗しにくいのは「梨酵母エキス」「バナナ酵母」「レーズン酵母」などの果物をメインにした酵母ですが、温度調節や発酵の時間がかかる事は変わりませんし、まずそれ自体を持ち合わせている人は稀(まれ)でしょう。
ドライイーストは代用はきかない!と覚えておいた方が良さそうです。
ベーキングパウダーとドライイーストの保存方法は?
どちらにも言えることですが、パンやスイーツの手作りが趣味♪という人以外は、市販されているベーキングパウダーやドライイーストは余ってしまうことが多いですよね。
次の使用までに少し時間がありそうなとき、どうやって保存しておけば良いのか、ポイントを挙げていきます。
- 空気に触れると劣化するので密封する
- 直射日光を避けて温度の低いところに保存する
- 温度が低い場所がなければ冷蔵庫で保存する
- 冷凍庫だと開閉時の温度の変化で結露の可能性が高まり、品質を落とす
- もともと水分がほとんどない状態なので、冷凍庫に入れる必要はない
- 高い温度や湿気に弱く劣化に繋がる
- 劣化すると膨らませる力がなくなる
賞味期限や消費期限が箱に書いてありますが、それは未開封での期限になります。
封を切る事で徐々に劣化は進むので、出来るだけ早く使い切るように出来ると良いですね。
さいごに
見た目も使用方法も似ていて混同しがちですが、性質は全く違いますね。
もちろん
- どっしりしたケーキを作りたい
- サクサクの生地でドーナツを作りたい
など、作りたい内容によって使い分ける事が出来るので、どちらを使えばいいのかという正解はありません。
美味しく作るためにもそれぞれの違いを理解して、上手に使い分けてくださいね。