接客業や警備のお仕事など、立った姿勢でいる時間が長い人につきものの悩みといえば、「足裏の痛み」ですね。
疲労がたまって痛む場合は、自分で揉んだり湿布を貼って寝るなどすれば、その都度に解消できます。
ですが、なかなか痛みが無くならず、歩くたびに痛むようになると、疲労以外に原因があるかもしれません。
今回は、足裏の痛みのなかでも、かかとに感じる痛みについて、原因や対策を以下の順に解説します。
- 足裏の痛み!”かかと”が痛い場合に考えられる原因は?
- 足裏(かかと)の痛み!対策&治療法は?
- 足裏(かかと)の痛み!腫れがある場合の原因と対策
足裏の痛み!”かかと”が痛い場合に考えられる原因は?
足裏に感じる痛みのうち、かかとが痛むのは次の原因が考えられます。
- 足底筋膜炎(そくていきんまくえん)
- 踵骨棘(しょうこつきょく)
- 踵骨下滑液包炎(しょうこつかかつえきほうえん)
聞き慣れない言葉や症状名もあって難しいですし、なにか重大な症状なような印象も受けるでしょう。
以下、それぞれ詳しくみていきます。
足底筋膜炎
足裏の痛みの原因のなかでも、代表的なもの。
足底、つまり足裏の筋膜に炎症が起きて、痛みや腫れを引き起こします。
足底筋膜は足指の付け根から踵(かかと)の骨まで覆っているため、痛みがある場合は足裏全体というケースが多いです。
踵だけ痛かったのが、足裏が全部痛くなってきてしまうことも。
足底筋膜炎になる原因
- 日常的に足裏に強い刺激を与えている
スポーツマンや接客業、作業仕事で長時間の立ち仕事をしている。
- 運動不足により、足底筋膜が硬くなっている
デスクワークが多く、足元を冷やしてしまっている。[/su_list]
などという場合が考えられます。
つまり、使い過ぎても、使わなさ過ぎても起こるということです。
踵骨棘
踵骨(しょうこつ)とは「踵(かかと)の骨」です。
踵の骨の一部がトゲのように(棘状)飛び出てきた状態を、「踵骨棘(しょうこつきょく)」と呼びます。
踵骨棘が筋膜などに当たることが、踵の痛みの原因となることもあります。
ですが、踵骨棘があっても痛みを感じない、逆に手術などで踵骨棘を取り除いても、痛みがなくならない、というケースもあるのです。
この場合は、棘ができるほどに足底筋膜に負担がかかっていて、足底筋膜炎と同様の症状が出たと考えられます。
踵骨棘になる原因
- かかとを地面に強く叩きつけるように歩いたり、走ったりする
- 重心が、かかとに偏っている
- 合わない靴を履き続けている[/su_list]
などが原因で起きやすくなります。
踵骨下滑液包炎
また難しい言葉が出てきました。
踵骨は「かかとの骨」ですが、その下に「滑液包(かつえきほう)」という、関節液を含んだ袋があります。
この滑液包が、かかとのクッションの役割をしています。
この部分に強い負荷が何度もかかると、炎症を起こしてしまい、痛みや腫れ、発熱などを起こします。
かかとに体重をかけたり、押さえたりすると痛みを特に強く感じます。
踵骨下滑液包炎になる原因
- 剣道などで強く踏み込む動作をする
- 急にランニングを始めた
- サンダルやクッションが薄い靴を履き続けた[/su_list]
などが原因になる場合が多いです。
足裏(かかと)の痛み!対策&治療法は?
原因が分かったら、まずは自分で出来る対策を!
趣味のスポーツによるものが原因であれば、いったん休んで炎症が治まるのを待ちましょう。と言えますが、お仕事の場合は休むのが難しいですね。
そこで危険なのが、『歩き始めは痛むけど、しばらく経ったら治るから我慢しよう』と放置しているパターン。
こんな場合は、悪化の可能性が高くなります。
痛みがなかなか取れない、あるいは痛みで歩くのも難しいようでしたら、迷わず医師の診療を受けてくださいね。
まず、自分で出来る対策として以下に紹介していきますので、軽い症状の場合は試してみてください。
自分で出来る対策
履物が足に合っているか、また、クッションが十分であるかを確認しましょう。
足底筋膜炎で痛みが軽いうちは、靴を変えたり、市販のインソール(中敷)を入れれば、軽減されていくと思われます。
インソールはできれば、靴を調整してくれる専門のお店か、整形外科で作ってもらうといいですね。
履物を確認したときに、左右の減り方の違いも見てみます。
もし、減り方が違っていたり、減る箇所が一部だけなら、身体の重心が偏っていることが考えられます。
この場合、足底筋膜炎が解消されても、足裏にかかる体重のバランスがズレたままですので、再発するおそれがあり。
骨格や筋肉の歪み、あるいは歩き方を修整する必要があります。
歩き方を直すには、「胸から下が脚のつもりで歩く」というのが、普段から意識しやすいコツですね。
長時間の立ち仕事で足に負担がかかっている人は、普段のケアが大切。とくに、ふくらはぎのが筋肉が硬くなってしまうと、足底筋膜炎を起こしやすくなります。
お仕事の合間に、ふくらはぎを伸ばすストレッチをときどき行いましょう。
また、入浴後や寝る前などには、必ずマッサージをしておきます。
このとき、足裏が痛いときは、足裏を揉んだり、湿布で冷やすのは避けてください!ふくらはぎだけマッサージしてくださいね。(ふくらはぎも湿布などで冷やさないように!)
足裏(かかと)の痛み!腫れがある場合の原因と対策
かかとが痛むだけでなく、腫れてしまっている場合は、先に述べた「踵骨下滑液包炎」が考えられます。
腫れていると湿布を貼ってしまいがちですが、熱を持っているとき以外は、冷やすのは避けておきましょう。
スポーツなどで足裏(かかと)に強い衝撃が加わったことで起こることが多いため、痛みや腫れが治まるまで、運動は控えておきます。
体重の圧が加わらないように、かかとの部分をくり抜いた足底板を使い、回復を待ちます。
足底板は自作できそうですが、きちんと調整しないと足首や膝を痛めてしまうので、整形外科で受診して作ってもらいましょう。
普段、スポーツをしていない方が、急に思い立ってジョギングなどを始めると、踵骨下滑液包炎を起こすこともあります。
突然の激しい運動は危険ですから、まずは軽い運動から始めるようにしましょうね。
踵骨棘の場合も、足底板を使って圧をかけないようにすると痛みが軽減、消失することもあります。
かかとの痛み!我慢は禁物!
お仕事やスポーツなどで、日頃から足に負担がかかっている人は、「痛いのが当然、我慢するのも仕事(練習)のうち」と、つい無理をしてしまいがちです。
また、足底筋筋膜炎では、歩いてしばらく経つと痛みが治るので、放置してしまうことも多々あります。
ふだんのケアを習慣にしていても、痛みがあるようでしたら、早めに医師の診療を受けるようにしましょう。
これ以上、悪化させない為にも・・・、我慢は禁物です!