ぎっくり腰……聞いただけで腰の辺りに何だかイヤな感覚がしてきますね。
先日、30代後半の友人(女性)がぎっくり腰になり、「他人事ではない!」と実感しました。
軽いものなら安静にしていれば治ってきますが、起き上がることすらできないほど痛みが激しい場合、セルフケアでは限界があります。
また、痛みが治まって動けるようになっても、再発しやすいのがぎっくり腰。
きちんと治しておきたいものですが、ぎっくり腰で病院に行く場合、整体や整骨院に行くのが良いのでしょうか。
いっぽう、整体・整骨院での施術で悪化してしまったという話もあります。
また、長く通うなら保険が効くほうがいいですしね。
今回は、ぎっくり腰の際には整体・整骨院に行くべきか、保険の対応や、悪化させないために知っておくことなどなど、ぎっくり腰に対して私が不安に思っていることを調べてみましたので、シェアさせていただきますね。
ぎっくり腰は整体・整骨院で治るもの?
まず、「ぎっくり腰」はどんな症状か、簡単におさらいします。
当然ですが、「ぎっくり腰」は一般的な呼び方で、医学的には「急性腰痛症」と呼びます。
原因としては、
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- 椎間関節の捻挫
- 椎間板の損傷
- 筋・筋膜の断裂
- 仙腸(せんちょう)関節の捻挫
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などが考えられます。
非特異的腰痛って?
実は、腰痛の7割以上がハッキリした原因が分からない「非特異的腰痛」と呼ばれるものなんです。
つまり、整形外科を受診しても原因が特定できず、対症療法にとどまってしまうことが多いんですね。
とはいえ、もちろん整形外科の診療を受けることは無駄ではありません。
MRIなどの診断によって、がんや腫瘍などが腰痛の原因だったとわかることもあります。
また、整形外科で応急処置を正しく行うことで、一早い回復につながります。
整体や整骨院での治療はどうなのか
では、整形外科でも原因がはっきりしないぎっくり腰は、整体や整骨院で治るものなのでしょうか。
整体や整骨院は、ぎっくり腰そのものを治すというより、
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- ぎっくり腰の痛みを和らげる
- ぎっくり腰の原因となる骨や筋肉を調整する
- ぎっくり腰を予防する身体の動かし方や生活習慣を教えてもらう[/aside]
と考えるといいでしょう。
保険が効くのは接骨院
ここで「整骨院」という呼び方について注意!
後にも説明しますが、保険が効くのは「柔道整復師」の資格を持つ人の施術が受けられる「接骨院」です。
接骨院の中にも「整骨」という名称を掲げているところもありますが、「接骨院」であることを確認してくださいね。
診療を受ける順番
症状にもよりますが、診療を受ける順番としては、以下を参考にされてください。
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- 整形外科で応急処置
- 骨・関節や内臓の異常がなければ、接骨院で腰の筋肉の手当てと回復を図る
- 予防として整体を受ける[/aside]
接骨院が良いのは、受診が早く済むので、仕事が忙しい方でも通いやすいところですね。
また、保険適応になると費用も安くなります。
コルセットの購入は全額自己負担となりますが、テーピングも行ってくれることもあります。
その他、低周波治療などを行って、腰の筋肉の自己治癒力を回復させ、痛みも軽減していきます。
ぎっくり腰で整体へ!保険は効く?
整体は整形外科や接骨院(整骨院)とは違い、治療行為が認められて営業しているわけではありません。
ちなみにマッサージサロンなども整体と同じく、治療としてのマッサージではありません。
接骨院などで姿勢の悪さを指摘されたり、ぎっくり腰とまで行かなくても、腰の痛みや不具合を覚えているようでしたら、訪れてみてもいいでしょう。
整体と一口に言っても、いろんな手技や施術があり、どれが良いのかは人や症状によって適切なものが異なります。
また、整体の名称で営業しているところの多くは、事前の質問でぎっくり腰と申し出ると断られる場合もあります。
そんな場合、「ちょっとくらいなら、大丈夫じゃないの?」と思われるかもしれませんが、無理に頼むべきではありません。
整体・接骨院・はり・きゅう 保険は効く?
先ほど、整体は治療行為ではありませんとお話ししました。
ということは、保険も効きません!
保険が適応となるのは、整形外科と接骨院・鍼灸治療の一部です。
整形外科は医師の診療ですので、当然、保険が効きますね。
接骨院で保険が適用になるかは、ちょっとややこしいです。
接骨院で健康保険を使えるのは以下の治療のみと考えてください。
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- 骨折
- 不全骨折(骨のひび)
- 脱臼
- 打撲
- 捻挫
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筋肉疲労や腰痛などで治療を受けても健康保険は使えません。
ということは、同じぎっくり腰でも、原因によっては保険が使えないわけですね。
注意したいのが、先にあげたケガが原因で病院や診療所で治療を受けていると、接骨院・整骨院で施術を受けても健康保険が使えません。
同じケガの治療のために併行して通っていると、接骨院・整骨院での治療は全額負担になってしまいます。
また、接骨院の中には、鍼灸あん摩マッサージ師の資格を持った人が施術を行う場合もあります。
マッサージは「関節拘縮(かんせつこうしゅく)」「筋麻痺(きんまひ)」の2症状に対する施術のみ、
また、医師に同意書や診断書を事前に書いてもらわないと、健康保険が使えません。
はり・きゅうは同意書、診断書があれば、症状にかかわらず健康保険が使えます。
ただし、はり・きゅうは、同じ症状で整形外科の治療を受けながらですと、鍼灸治療の治療費は全額自己負担になります。
なお、マッサージは同じ病気、ケガで施術を受けても健康保険は併用できます。
(マッサージ師資格を持つ施術者による場合のみ)
などなど、保険の適用・不適用についてはものすごくややこしいので、
「私の知り合いは、整骨院で保険適用してもらったよ」というときでも、同じように保険が効くとは限りませんので、注意してくださいね。
整体などで逆に悪化する可能性もある?
ぎっくり腰の原因や症状にもよりますが、整骨院や整体に通うことで悪化するおそれもあります。
ぎっくり腰になったら、まず安静にして様子をみてください。
人によっては、2〜3日寝ていたら痛みがほとんどなくなり、元のように動けるようになります。
この程度の症状でしたら、整形外科に行かず、整骨院や整体を受けてもいいかもしれません。
もちろん、実は他の病気が隠れていた……ということもありえますので、整形外科の診療も受けておきたいところです。
接骨院なら
ただ、ぎっくり腰になって日が浅い状態では、接骨院や整体に通うのは避けた方が良いでしょう。
接骨院の診療や、多くの整体の手技は、ベッドに寝た姿勢で行います。
このとき、体位を変える際に腰に負担がかかり、再発するおそれもあります。
痛みもなくなり、元のように動けるようになってきたら、接骨院に通うのは問題ないかと思われます。
整体なら
問題は、整体に通うとき。
整体は治療行為ではないことはおわかりいただいたと思います。
「資格を持っている」というのも、民間のスクールや営業している会社の中での資格といったものがほとんどです。
極端な話、そのお店に勤めて研修を1ヶ月くらい受けただけという人が施術をする……という可能性もあるんです。
これでは、治るよりも悪くしてしまうことがあるのも当然ですね。。
資格をチェック!
またややこしい話ですが、鍼灸あん摩マッサージ指圧師の国家資格を持っている方が、「整体」と掲げて開業していることもあります。
はりきゅう・あん摩マッサージの資格を取得できても、それだけで治療の腕が身につくわけではありません。
新しく編み出された治療方法や、民間に伝わっている、効果があるとされる手技や施術を主にしている先生もみえます。
いずれにしても、整骨院、整体を受ける際には、「医師、柔道整復師、鍼灸あん摩マッサージ師の国家資格を持っているか」という点を確認してみるのが良さそうですね。
ギックリ腰!まずは整形外科へ
病気かな? というときは、医師の診察を受けたあと、処方してもらった薬を服用するなどで治療していきますね。
「サプリメントだけで治します」という人がいたら、「いや〜、それは無理でしょ」と思いますよね。
【ぎっくり腰を整体や整骨院だけで治そう!】というのも、これに似たことと考えてみてください。
サプリメントは医師に処方されたものでもなければ、健康保険は使えないというのも近いですね。
軽い症状でも大したことないと考えず、まずは整形外科を受診してください。
その後の再発を防ぐために、整体や整骨院を考えてみても良いでしょう。