栄養満点の牛乳ですが、飲みすぎると下痢になったり腹痛を起こしたりすることがあります。
体に良いということで、水の代わりに牛乳を飲む…というのも、ひと昔前には珍しくありませんでしたが…。
ということでここでは、牛乳の飲みすぎに関してまとめています。
牛乳の飲みすぎで腹痛や下痢が起こるのはなぜなのか、飲みすぎによるその他の弊害や、一日の摂取量の目安など。
子供と大人では当然摂取量の目安は違うのですが…実は大人の方が摂取量の目安が少ないのです。それはなぜか!
さぁ、あなたの認識は正しいでしょうか?
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牛乳の飲み過ぎで腹痛や下痢は起こる?その理由は?
まず牛乳を飲みすぎるとよくなると言われるのが「下痢」「腹痛」ですよね。
実際に下痢や腹痛になるのか?なるとしたらどんなメカニズムがあるのかについて見ていきましょう。
最初に結論を言ってしまえば、牛乳の飲みすぎによって下痢や腹痛は“起こります”。
簡単にそのメカニズムについて解説していくと、牛乳をたくさん摂取しすぎて、その分解が追いつかないと下痢を起こします。
その下痢に伴って腹痛が起こるというのが牛乳の飲みすぎ(分解能力を超えた摂取)という現象なんですね。
大人の方が危険?!日本人に多い?!
ちなみにこの分解能力は、大人になるほどに失われていきます。
乳糖分解酵素という酵素によって分解処理を行うのですが、赤ちゃんは母乳を栄養源としますから、飲みすぎておなかを壊すわけにはいかないのです。
まれに、この酵素が欠乏している子が産まれる(もしくは幼児期に欠乏している)場合には、病気の一種としてみなされ治療が必要になります。
大人の場合には欠乏していても治療しないことが多く、単純に牛乳を飲まないようにする指導が入る程度にとどまります。
またこの酵素が減るという現象は日本人に多く、欧米人はほとんど欠乏しません。
アルコールの分解酵素も欧米人は多く持っていますから、うらやましい限りですね。
理由としては、牛乳を飲むような文化の発展が日本人は著しく遅かったことにゆえんしていて、遺伝子の中に分解酵素の伝承が含まれているというのが挙げられます。
ですのでもし牛乳を飲むと頻繁におなかを壊してしまうような場合には、一度診察してもらうか、検査をしておいたほうが良いかもしれませんね。(※郵送タイプの検査キットもあるので時間がない人にはおすすめです。)
その結果、もし欠乏していると分かった場合には牛乳を控え、ほかの乳製品からカルシウムなどの栄養素摂取していくことを考えた方が良いでしょう。
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牛乳の飲み過ぎ!他にどんな弊害が?
牛乳の飲みすぎ、「下痢」「腹痛」以外には何ともないのか?
牛乳を飲みすぎることによって起こる、その他の弊害についてまとめてみましたので、併せてチェックしておいてくださいね。
ダイエットの妨げになる
牛乳は結構高カロリーで、飲みすぎると肥満になりやすい飲み物です。
さらに摂取しすぎることでたんぱく質の分解を妨げ、脂肪として体に吸収させてしまいます。
つまり正しくはダイエット時にはあまり好ましくなく、普段でも適量にしておかないといけないということなんですね。
健康によさそうなイメージしかない牛乳だけに驚きですが、効率の良い栄養補助食品くらいに認識を改める必要がありそうです。
アレルギー
牛乳は遅れて症状が出る「遅延型アレルギー」になりやすく、飲みすぎで発症することも多い食品で、いざなった時に手遅れになりやすい恐ろしいアレルギーです。
反応が出るのが遅いので、気づいたころには摂りすぎていることもあり大変危険なんですね。
命に別状はないケースが多いものの、牛乳を飲んだ日に体調が悪くなりやすい場合には一度検査をしてみましょう。
体臭
牛乳は過剰摂取により体臭にまで影響します。
牛乳や母乳が腐るとなかなかひどい匂いを放つことはご存知の方も多いでしょうが、牛乳を飲みすぎると汗腺などに牛乳の成分が詰まってしまい、度合いの差はあれど牛乳のような匂いがすることがあるとか。
良く赤ちゃんとそのお母さんから、授乳時期にだけ独特の香りがすることがあるかと思いますが、人によっては苦手な人もいますよね。
そこに大人の体臭や汗のにおいが混じるわけなので、苦手でない人のほうが少ないのではないでしょうか。
これはマナーとしても気をつけなければいけませんね。
肌荒れ
牛乳は飲みすぎると肌荒れを誘発することもあります。
これはちょっと意外に感じる方も多いのでは?
原因としては、牛乳を分解する過程で男性ホルモンが増え、皮脂がたくさん出るようになってしまうことなどが挙げられます。
ニキビができやすくなったり毛穴が詰まりやすくなったり、男性も女性も皮脂が過剰分泌されて良いことはありませんよね。
貧血
牛乳を過剰摂取することで、なんと貧血になる恐れもあります。
とくに子供は貧血になりやすく、健康のためにと飲ませすぎると、気づかないうちに貧血になってしまう可能性もあるので気をつけてください。
これは、牛乳が他の栄養素の吸収を妨げてしまうことが原因であり、体が小さく栄養の必要な乳幼児にはとくに影響が顕著になるんですね。
だからといってあげないほうが良いわけではないので、適量を考慮しながら与えるようにしてください。
虫歯
牛乳には乳糖という糖分が含まれているので、寝る前などに飲んでしまうと虫歯になりやすくなってしまいます。
良く夜中の授乳が虫歯の原因に?と騒がれたりしますが、子供は成長するにつれて少しずつ生活習慣を正さないといけなくなっていきます。
その中に虫歯も含まれており、寝る前に牛乳を飲ませてしまうと、中の糖分が影響しておやつを与えて寝かせたくらいの影響が出てしまうんですね。
逆に食後に飲めば虫歯予防につながりますので、牛乳は食後に飲ませて、寝る前にはお茶や水などを飲ませるようにしましょう。
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牛乳の一日の摂取量!目安はどれくらい?
牛乳の過剰摂取は下痢や腹痛だけでなく、色んな弊害があることを説明してきましたが、ここで疑問なのは「過剰摂取の適量の境界線」ですよね。
ったいどれくらいが適量で、どれくらいから過剰摂取になるのか…。
ということで、牛乳の一日の摂取量の目安をチェックして、適量を知っておきましょう。
幼児・子供・大人の場合に分けて紹介しておくので、参考にしてみてください。
幼児(1歳~5歳)の摂取量の目安
幼児の場合は、1日あたり200ml~300mlを目安に摂取すると良いでしょう。
ただし1度に摂取するのではなく、朝とお昼(おやつ時)に分けて飲むのが良いのでご参考までに。
1歳児未満の場合はできるだけ牛乳の摂取は避け、1歳を過ぎたころから、まずは温めたものを少しずつ与えて様子を見るようにしてください。
母乳やミルクをしっかり飲んでいた子でも、牛乳になったとたんにアレルギーや不調を感じる子もいます。
1歳半を過ぎる頃には、とくに問題がなければ冷たい牛乳でも飲める子がほとんどですが、冷たすぎる飲み物は刺激になりやすいので、ぬるめ~温かい牛乳がおすすめです。
子供(6歳~14歳)の摂取量の目安
6歳を過ぎてからは、1日あたり300ml~400mlを目安にしても大丈夫です。
最低でも1日あたり200mlは摂取したいところですが、このくらいの年齢になると、学校の給食などで補えるようになっている場合が多いです。
家庭では足りない分を補う程度にとどめておけば問題ありませんし、カルシウムを牛乳から摂取させるのではなく、魚やチーズなどの食品から重点的に摂取させるようにするのが良いといいます。
6歳になったからいきなり400ml!というわけではなく、こちらも同様に少しずつ量を増やしていってくださいね。
もし不調が出た場合には、分解しきれていない可能性がありますので、摂取量を減らすか医師に相談してみてください。
大人(15歳以上)の摂取量の目安
15歳以上の大人になってくると、1日あたり200mlの摂取で十分です。
子供よりも大人のほうが牛乳の分解能力が低いので、多すぎるとおなかを壊してしまうことも多いので注意してください。
ただし妊婦さんの場合は別で、1日あたり500mlの牛乳の摂取が推奨されています。
ほかにも特定の持病や一時的な療養において、牛乳の摂取量が増える場合もありますので、あくまで健康な成人の目安量として覚えておきましょう。
牛乳の飲みすぎ注意!摂取量の目安は意外と少ない
牛乳は飲みすぎるとさまざまな不調を誘発してしまうということと、意外と適正量が少ないことがお分かりいただけたでしょうか。
牛乳を飲んで下痢や腹痛、もしくはその他の不調が出るということは、分解が追い付いていないか、分解能力が低いためというのがその理由でした。
水やお茶の代わりに牛乳…今考えるととんでもないことだったのですね(笑)。
また大人の方が牛乳の分解能力が低く、1日の摂取量の目安が少ないというのもぜひ覚えておいてくださいね。