東大寺の大仏さま。
「修学旅行で見たよ♪」もしくは、「修学旅行で見に行く予定だよ!」って方も多いことでしょう。
実際に見た!という方はご存知でしょうが、東大寺の大仏さま、かなり大きいです。
大昔にこの大きさの仏像がどうやって作られたのか。また、こんなに大きい仏像を作った理由についても気になるところです。
ここでは、東大寺の大仏様の大きさや歴史、作り方などなど、わかりやすく解説していきます。
東大寺の大仏さま 驚くべき大きさ&高さ!
まずは東大寺の大仏様のその大きさから紹介します。
大仏さまの高さ:約15m
(およそビル4~5階の大きさ)
重さ:約250㌧
(2リットルのペットボトルでおよそ12万5千本ほど)
この数字だけで、「デカイッ!&重いっ!」ということがお分かりいただけるかと思います。
今の時代だからこそ、「へぇ~大きいんだね~」という感想で終わる人も多いでしょうが、
想像してみてください!!
この大きさの大仏様が、約1300年前からこの場所に鎮座されている・・・
これがいかにスゴイことかを。
(感動は以下に続く…)
東大寺の大仏様の歴史 大きさには理由がある
東大寺(大仏を含む)は、奈良時代に聖武(しょうむ)天皇が、仏教の教えを元に、国を守るために建てたお寺です。
正倉院のお宝を見てもわかるように、当時、かなり華やかな時代ではあったものの、政治的な争い・干ばつ・飢きん・凶作・地震・天然痘(てんねんとう)の大流行などなど、厳しい時代でもありました。
そこで、聖武天皇が仏教の根本経典といわれる「華厳経(けごんきょう)」の考えを政治の中心に据え、人々が想いやりの精神を持てるような政策に力を入れたそうです。
その「華厳経」の教えに、【お釈迦様の身長を10倍にすることで宇宙を表現する】とが説かれています。
つまり、奈良(東大寺)の大仏さまは宇宙そのものを表現しているのです。
そんな大仏様は、745年に制作がはじまり752年に完成。
便利な工具も機会も重機もないこの時代に、この大きさの仏像を造ったことに、まずは感動しませんか?
そして次に思うのは、
「どうやってこんな大きな大仏さんを造ったの?」ということでしょう。
それは次の章で説明していますので、しばしお付き合いくださいませ。
東大寺の大仏様の名前
私たちは、気軽に「奈良の大仏」とか「東大寺の大仏さん」とか呼んでますが、実は【盧舎那仏(るしゃなぶつ)】というお名前が本名です。
ちなみに、東大寺にも【金光明四天王護国之寺(きんこうみょうしてんのうごこくのてら)】という、難しい正式名称があるんです。
この辺りは、地元民の私もなかなか覚えられませんが(;’∀’)
東大寺の大仏さまの修復
この奈良の大仏さまは、残念なことに、幾度となく戦いに巻き込まれ、実は何度も燃えてしまっているのです。
ですので、何度も修復されて現在の姿になっています。
「な~んだ!全部新しいのかぁ~…」と残念がらないでください!!
それでも、奈良時代から残ってる部分もあります。
それは、台座とひざ頭の一部!
実際に大仏さまを観に行く際には、台座とひざ頭の一部に注目して、歴史を感じてみてくださいね。
奈良の大仏さまの作り方
上でもお話ししましたが、東大寺の大仏さまが建立されたのは8世紀。
今のように便利な機会もない時代。
こんな巨大な大仏さまはどうやって造られたのでしょうか?
その行程の手順をご紹介します。
①木材で骨組みを組む。
②木・縄・粘土を使って輪郭(りんかく)を整える。
③原型の外周に粘土で鋳型(いがた)を作る。
※鋳型とは、溶かした金属を注ぎ入れる型のこと。
④型持(かたもたせ)を填(は)め込んで隙間をつくる。
※型持とは、外側と内側を保つための支え。
⑤鋳型との隙間に銅を流し込んで鋳造(ちゅうぞう)する。
⑥周囲の盛り土を高くしながら、③~⑤の作業を8回に分けて行う。
⑦外側を崩すと…じゃじゃ~ん!大仏様が出現!
⑧同じように台座を鋳造(ちゅうぞう)。
⑨台座の蓮弁(れんべん)に彫刻。
※蓮弁とは、蓮の花びらのことで、仏様の浄土に咲いている花と同じと信じられています。
⑩大仏様に金を塗って完成~♪
(参考:華厳宗大本山 東大寺 公式ホームページ)
東大寺の大仏さま雑学
歴史や作り方がわかったところで、
この章では、知って得する?(であろう…)大仏雑学をいくつかご紹介します。
お友達や家族に雑学付きで説明できたら…大仏見学も楽しさ倍増ですよ♪
大仏様の頭のブツブツは何?
大仏さんの頭のぶつぶつは「螺髪(らほつ)」と言って、髪の毛を渦巻(うずまき)状に表現したものです。
パンチパーマも遠からずですね(笑)。
この螺髪は、仏の知恵の象徴で、東大寺の大仏さんには966個付けられています。
東大寺の大仏さまがもしも立ったら・・・
ご存知のように東大寺の大仏さんは座っておられます。
この大仏様がもしお立ちになったとしたら、その身長は想定30m!
マンションだと10階辺りに相当する高さです。
鎌倉の大仏さまとの違いは?
パッと見た目の違いで言えば、上の写真を見れば一目瞭然ですね。
鎌倉の大仏様は屋外に鎮座されています。
ただ、昔は大仏殿があったそうですけどね。
大きさの違い
奈良の大仏様は、高さ約14.7メートル。
鎌倉の大仏様は、高さ約11.39メートル。
奈良の大仏さまの方が少し大きいですね。
大仏さま自体の違い
そして一番大きな違いは、大仏さま自体の違い。
東大寺(奈良)の大仏さんは盧舎那仏(るしゃなぶつ)なのに対し、鎌倉の大仏さまは阿弥陀仏(あみだぶつ)なのです。
東大寺の大仏さま(廬舎那仏)は、上でもお話ししたように、華厳宗で宇宙の真理としての存在。
対して、鎌倉の大仏さま(阿弥陀仏)は、“他力本願”で大流行した『浄土真宗の本尊』で、釈迦に教えを説いた仏とされています。
建立された時期の違い
東大寺(奈良)は、天平勝宝4年(752年)【奈良時代】
鎌倉は、寛元元年(1243年)【鎌倉時代】
東大寺の大仏様の方が断然古いのですが、上でもお話ししたように、奈良の大仏さまは戦火で焼かれる度に再建されてきました。
鎌倉の大仏さんは、現在もほぼ造像当初の姿を保っていると言われています。
東大寺の大仏様の魅力
なかなか言葉で表現するのは難しいのですが、その【大きさ・厳粛さ・自分の心の中を見透かされているかのような、凛とした静かなお顔】。
これが私が感じる最大の魅力です♪
大仏様の見え方
これは私の価値観なので、すべての人に当てはまるとは思いませんが、
小学生や中学生の頃に見る大仏さまと、少し歳を重ねてから見る大仏さまは、なんだか違うように感じます。
私もですね、小さい頃、遠足で行ったときには「ただデカイだけの仏像。何が楽しいの?」って思っていました…正直なところ。
それが、ある程度の年齢になると…
「なんだ!?なんなんだ!?この存在感とこの空気!!」
となり、以来すっかりハマってしまったのです。
さいごに この歌は知っておいて欲しい
東大寺の大仏様には、言葉で表現できない魅力があります!!
是非ぜひ、あなたにも訪れて頂いて、間近で見て頂きたい♪
そしてその際には、ここでお話した内容を参考にしていただいて、楽しんでいただければとても嬉しいです。
最後の最後に・・・
私の大好きな「大仏の歌」をご紹介しておきます。
お笑い芸人の「ますだおかだ」さんの増田さん作詞作曲の歌で、題名は「大仏なら・・・」♪
こちらもちょっとハマりますよ(笑)
最後までお読みいただき、ありがとうございました♪