今年もやってまいりました箱根駅伝!コロナも落ち着いてきて、無事開催されるようで本当によかったですね!
私が箱根駅伝に夢中になったのは20年程前の中学生時代。山上りでのデッドヒートを食い入るように見つめていました。
毎回ドラマを見せてくれる箱根駅伝ですが、「沿道で応援したいのに、今年もまだコロナで行けないから、泣く泣くテレビで応援!」という方も沢山いらっしゃると思います。
2021年は『応援したいから、応援に行かない』と広告が出ていたように、今年もまだ全開とまではいかないでしょう。
実際に行けない分、コースの特徴や見所などたっぷりご紹介しますね。
【箱根駅伝2022】往路コースマップ!距離&高低差を徹底調査!
1区(21.3km)大手町読売新聞本社前→鶴見中継所
朝8時のスタートは選手紹介から行われ、ワクワクする瞬間です。
1区は東京都心を駆け抜けるフラットなコース。
一斉にスタートした選手達は塊で走ることが多く、駆け引きが見どころになります。
その年により、ハイペースで序盤から攻めていく年と、集団を守り顔色を伺う年、今年はどうなるのか各大学の戦略も楽しみですね。
大きく勝負が動くのは新八ツ山橋と17km過ぎの六郷橋。この辺りでスパートをかける選手がでてきます。
2区の鶴見中継所までどの順位でタスキを繋げるか、大学の意地をかけた激しいデッドヒートが繰り広げられます。
2区(23.1km)鶴見中継所→戸塚中継所
エース級の選手が顔を揃える「花の2区」は、東京から横浜へと続く往路最長コース。
2006年に小田原中継所の位置が変更になるまでは、全10区間含めて最長を誇っていました。
実況中継でもよく聞かれる権太坂は、箱根の山越えに次ぐ難所。
それを越えるとラスト3km!「戸塚の壁」と呼ばれる激しいアップダウンが待っています。
距離も長い上に起伏の多い地形で、ペース配分が難しく、その日の体調を見極めてレースを組み立てる、まさにエース区間!
外国人選手の起用が許されているのもこの区間で、「ゴボウ抜き」という言葉が生まれたほど、順位の変動も激しくなっています。
3区(21.4km)戸塚中継所→平塚中継所
3区は一気に湘南海岸へ!景色がガラッと変わる気持ちのいいコースです。
横浜の街並みを見ながら緩やかな坂を下ると、11,9km地点から湘南海岸道路に。
そこからは平坦な海岸線が続き、左に相模湾、正面に富士山が見える絶好のロケーションです。
海岸沿いなので高低差はありませんが、海風の影響を受けやすく天気に左右されやすいという難点も。
1区2区と続いてきた順位をどう活かせるか、ここでの順位変動は大きく影響する為、2区に続きエース級の選手を起用する大学も多くなっています。
4区(20.9km)平塚中継所→小田原中継所
細かいアップダウンの多い4区は、5区山上りに繋ぐ重要な区間。
1区〜3区と比べると距離は短いですが、起伏が多い為走りづらいでしょう。
前半は気温の上昇に注意が必要ですが、一変後半は箱根の山に差し掛かり、山からの冷たい風を受けながらのタスキリレーとなります。
5区山登りが2017年に選手の負担軽減のため短縮され、4区の距離が約2.5km延長されました。
5区に向けて、前との距離をどれだけ縮められるかが期待されるコースです。
5区(20.8km)小田原中継所→芦ノ湖
往路最終区の5区は皆さんご存知の過酷な山上り。
ドラマがない年はない程、山の神のようなスターが生まれたり、アクシデントで悔しい思いをしたり、何が起きるかわからない区間です。
その8割が上りとなり、最高点は16km過ぎでむかえる874m!!
コースには函嶺同門というアーチが美しかったトンネルがあったのですが、2014年に惜しくも老朽化により通行禁止。新たに函嶺同門バイパスがコースの一部となりました。
最高点874mを過ぎてからは下りが約5km続きます。それまでずっと上り続けてきた選手の足にはかなり負担がかかるでしょう。
ですが時によっては下りになってから更にペースを上げる選手も!
特殊な区間である為、適正や当日の選手のコンディションを見極める監督の目も重要ですね。
【箱根駅伝2022】復路コースマップ!距離&高低差を徹底調査!
続いて箱根駅伝2日目に行われる復路を見ていきましょう!
スタート地点は東京のド真ん中からスタートした往路とは一変、テレビの画面からでも箱根の豊かな自然を感じられる芦ノ湖。
2日目の復路は往路でのゴール順位でスタートをきっていきます。
往路優勝の大学から10分以上遅れてしまった大学は挽回を狙って一斉スタートです!
6区(20.8km)芦ノ湖→小田原中継所
朝8時、お正月の箱根の冷え込みを肌で感じる6区。スタートから長袖や手袋をしている選手がほとんどです。
例年では賑やかな応援の中まず4kmを上り、そこからは一気に874mを下っていきます。
山上りの方がクローズアップされますが、駅伝の下りの速さは想像以上で最速100m14秒台!ダッシュしてもなかなか追いつけないですね。
そのスピードで下りながら細かいカーブを何度も曲がるのは至難の技。足への負担は半端じゃありません。
5区同様適正が大事になってくる区間です。
下りきってからの平坦なコースは選手にとって上りに感じる程辛く、時に痙攣までも引き起こします。
このコースは早朝の冷え込みと、急な下り坂の危険から給水は用意されないそうです。
向かう小田原中継所は往路とは少し離れた風祭駅前。復路のゴールもそうですが、名称は同じでも場所は違う中継地点があるんですね。
7区(21.3km)小田原中継所→平塚中継所
箱根の山から平塚の海岸線へつづく7区。ここは気温と気象との戦い。
始めは山からくる冷たい風にさらされ、海岸に出てからは海風とともに太陽によって気温が上昇します。
天候に大きく左右される為、事前のリサーチが欠かせません。
寒暖差の大きい区間をどう切り換えていくかがポイントとなります。
9km過ぎから細かいアップダウンが続くものの、全体的に起伏が少なく10区間の中では走りやすい区間と言えるでしょう。
8区(21.4km)平塚中継所→戸塚中継所
8区は平坦な海岸線が10km続き、湘南新道に入るとアップダウンを繰り返しながらの上りに。
16km過ぎからは8区最大の難所である遊行寺坂に入っていきます。更なる急な上りに耐えられるスタミナが勝負です。
天候によっては後ろから照りつける太陽によって体力が奪われ、脱水症状に陥る選手も!
フラフラとおぼつかない足取りになっても、タスキを繋ぎたい!という気持ちだけで歩を進める選手達。チームで戦う駅伝の素晴らしさを何度も見せてもらいました。
チームというと、この8区では繰り上げスタートも見られます。先頭から20分で繰り上げスタートとなり、記録は残りますがチームとしてタスキを繋げなかった悔しい想いは画面からでも伝わるものがありますね。
9区(23.1km)戸塚中継所→鶴見中継所
いよいよラスト2区間。順位を大きく意識する区間となってきました。
9区は「花の2区」と同様復路での最長コースとなっており、「松の9区」とも呼ばれます。
スタートから3kmは下りがあり、その後アップダウンを繰り返します。どこで勝負をしかけるか、戦略が見所です。
準エース区間で力のある選手を出してくる大学が多く、優勝を狙ってみるみる距離を縮めるような場面が何度もありました。
またここでも繰り上げスタートとなる大学もあり、シード権争いも熾烈を極めてくるので、まさに気持ちのぶつかり合い!!目が離せない区間です。
10区(23.0km)鶴見中継所→大手町読売新聞本社前
泣くも笑うも、ゴールテープをきる10区。
昨年はここで3分以上の差を巻き返す大逆転が起こりましたね。まだまだ何があるか分からない23kmです。
前半の六郷橋と新八ツ山橋のアップダウンを超えると、あとはほぼ平坦。自身のペースを守りつつも、攻めの走りが要求されます。
都心のコースならではのビル風や気温の上昇にも注意が必要ですね。
ゴール地点は往路とは異なり、馬場先門を右折、銀座通りから日本橋を経由して読売新聞本社前に向かいます。
沿道の応援も加熱し、順位やシード権争いに予想外のハプニングも加わって、最後の最後まで目が離せない最終区。
ゴール地点で待つ仲間の姿を見た選手のほっとした笑顔、悔しそうな顔も感動に変わります。
【箱根駅伝2022】コース距離&高低差をまとめて比較!
それぞれのコースの特徴をみてきましたが、全体ではどう見えるのでしょうか?
距離で見てみると箱根駅伝はなんと学生の駅伝最長距離となっているんです。(往路5区間107.5km、復路5区間109.6km、合計217.1km)
それに加え高低差に至っても最高点874mですからこちらも駅伝の中では1番の高低差になると言えるでしょう。
全10区間をみていくと、東京都心のフラットなコースから始まるスピードレースの1区、最長距離「花の2区」、海岸線から徐々に箱根の山上りに向かう3区と4区、そして最高点874m!山の神が生まれる5区。
芦ノ湖からは下りのスペシャリスト6区、山風を受けて海岸線へ向かう7区。気温の上昇に注意の8区。最終区へ9区。そして沿道の歓声の中、都心を走りねけゴールテープを切る10区。
それぞれの区間にそれぞれの難しさ、適正があることから、チームで勝つ!というチーム力が試されるのが箱根駅伝!ということが分かっていただけましたか?
そこが見所であり、監督の手腕なんですね。
箱根駅伝2022年はコース変更があるの?
コース変更に関しては今年から変更になったという点はないようです。
過去に中継所の位置が変わったり、2区や4区の距離の変動、5区は函嶺同門の閉鎖によりコース変更もありました。
第98回を数える箱根駅伝、その土地の歴史や選手を想う駅伝の歴史もコースに現れるようです。
最後に
歴史を重ねる箱根駅伝、コースを見ていくうちに選手が走る情景が頭に浮かんできたのではないでしょうか?
景色、風、気温までも肌で感じるようで、2022年の箱根駅伝がより一層楽しみになりましたね。
今年は新型コロナウイルスにより世界中が大混乱に陥りました。
そんな中でも98回目の箱根駅伝を楽しめる喜び、お正月はぜひご家族で!テレビからこの幸せと興奮を味わってください。